入門・演習 数理統計 野田 一雄 (著), 宮岡 悦良 (著)

入門演習数理統計

 

価格:3780円

読了目安:300時間

 

【概要】

この本は数理統計を初めて学ぶ際に測度論の知識がなくても読めるように書かれたものである。前提知識は大学教養レベルの微分積分線形代数となっているが線形回帰モデルが省かれているので線形代数の知識を使うことはあまりないと感じた。

 

しかし、微積の方は確率の性質上、期待値計算やその他諸々に使われていたので微積を学ばずしてこの本を読むのは大変難しいであろう。具体的には確率変数の返還という論点で使われる多重積分まで学習しておけば何とか読めると思われる。

 

また、入門・演習となっていて豊富な演習問題が練習問題や章末問題として載っているがほとんどが証明問題なため解答ページ数の都合上解答が省略されていることが多い。

例題を参照すれば何とか解けるものが大多数だが(時間はかかるが...)同じ著者が出している数理統計学の基礎(野田一雄)を参照にすればより詳しく書いてあるので解答載っているらしい(私は基礎から学ぶデータ解析(鈴木武)やインターネットを参考にしながら解いていました)のでそちらを手元に置いて居おくとよいだろう。

 

【到達範囲】

学部2、3年レベルの統計学の知識は身につくと思われる。線形回帰がのってないのでそちらの知識と専門の知識が補えれば統計学の門に入って「入門」したと言えそうだ。

前の記事で紹介した東大出版の統計学入門も入門とついてるがこの本を読んでいると本当に門を潜り抜けてるのを感じた。

 

具体的な学習範囲は確立の基礎的な内容(コルモゴロフの公理)から適合度検定(カイ二乗検定)まで書かれており、他の入門書には書かれていなかった(書かれていたとしても詳細は省かれていた)一様最強力検定、指数型分布族、十分統計量、完備統計量、モーメント推定、区間推定と検定の関係などが書かれていた。

 

【感想】

一通り読み切るのに3か月かかってしまい夏休みもあって図書館の期限がかなり伸びてしまい3か月の凍結をくらったがその分有益な書物だったと思われます(結局ヤフオクで買いました)。まだ完璧に理解できていない概念があるのでこれからも続けて学習していこうと思う。

上で説明した数理統計学の基礎も辞書として買っておきたいなと(高くてなかなか買えませんが)思います。