基本統計学【第三版】 宮川広男 書評

基本統計学

【基本情報】
価格 2800円
読了時間目安 30時間〜45時間

【学習範囲】
大学教養課程レベルの統計学を勉強するために書かれている。
著者も端書きで語っているが教養レベルではこの本以上にしっかりと統計学を数学的な説明を欠かすことなくすることはほとんど不可能だと考えられるくらいきっちりと書かれている。
しかし、数式による説明を読み飛ばしてもある程度なら統計学の知識を得ることができるので読み物として扱っても良いかもしれない(その場合は弁当屋の統計学を読んだほうが有益かもしれませんが)。


具体的な学習内容は
序章 統計知識の概要
一章 平均と分散
二章 度数分布
三章 回帰と相関
四章 確率
五、六章 確率変数と確率分布
七章 標本分布
八章 推定
九章 検定
十章 回帰

となっており回帰が三章と十章で出ているが前者は推測を用いない(記述統計学的な)回帰を学習し、後者は推測を用いた(推測統計学的な)回帰を学習する。
このように分けたのは回帰の概念を分かりやすくするためには条件付き平均を学習した後が良いと著者が考えたためである。
また、十章は教養レベルを少し上回っていると考えられるが発展的な内容に進む読者は是非読む内容だと考えられる。


【前提知識】
高校数学を2Bまで勉強していれば十分式の内容も理解できる。第一章からいきなりΣが出てくるがΣ(゚Д゚)とならずにΣの基本的な意味である数式を足すを考えればそんなに難しくはないはず。
しかし、第六章まではそれほど数式的にも難しくないが第七章のt分布、χ二乗分布、F分布あたりから少し抽象的な考え方がでてくるので難しいかもしれない。
さらに第八、九章で出てくる推定や検定ではそれらが前提知識として話が進むので挫折してしまう方が多いと思われる。
しかし、何度も読んでいくうちにああこういうことかと分かってくると思うので諦めずくり返し読んでもらいたい。
また、データハンドリング(統計学分析ソフトRなどを用いての分析)をしていくほうが推定や検定
は具体的なことが分かるのでそちらも並行して行うのがいいだろう。

【感想】
私は何冊か統計学の入門の本を読んだのですが他の本は数式の説明がないもの某赤い本のように初では理解しにくいものなどばかりでした。
しかし、この本はその中韓をいくような本でほんとにお勧めです。